通信制高校のポジショニング戦略で差別化する方法と伝え方

通信制高校・サポート校が生徒集客に取り組む上で、欠かせない考え方が「ポジショニング戦略」です。

何となく聞いたことはあるけれど、学校の広報活動にとっての重要性や具体的なアプローチなど、詳細まではわからないという方もいるのではないでしょうか。

また、ポジショニング戦略を策定しても、入学者数を増加させるための具体的な施策に落とし込めていなければ意味がありません。

そこで、本記事では、学校集客にとって最適なポジショニング戦略の策定方法と潜在的な入学検討者に自校のポジションを浸透させる施策についてまとめました。

こんな方におすすめ

  • ターゲット層を効率的に集客し、入学者獲得につなげたい
  • 数ある競合校から自校に興味を持ってもらい、入学につなげたい
  • 自校の「強み」をアピールし、認知度を高めたい

通信制高校のポジショニング戦略とは?

ポジショニング戦略とは、「差別化・独自化」です。

数ある通信制高校の中で、自校の強みや立ち位置を明確にし、入学を検討する学生に対してオンリーワンの存在になることを目指します。

例えば、ハンバーガーチェーンについて聞かれた時、真っ先に思い浮かべるのは「マクドナルド」でしょう。

他にも「モスバーガー」や「ケンタッキー」など、ハンバーガーチェーンは他にも存在していますが、圧倒的な知名度を誇るのはやはり「マクドナルド」です。

つまり、ハンバーガーチェーン業界はマクドナルドの一人勝ち状態であり、他とは比較にならないため、ポジショニング戦略が成功しているといえます。

マクドナルドのような絶対的ナンバーワンになれると、それだけで競合との差別化につながります。

そもそも、ポジショニングとは?

「通信制高校のポジショニング戦略とは?」のタイトル下にある図は「ポジショニングマップ」と呼ばれているもので、自校を取り巻く市場の中で、どのポジションに立てば学校運営を有利に進められるかを視覚化したものです。

つまり、「自校の立ち位置をどのように確保するか」というのが、ポジショニングです。

競合校の中に知名度が高かったり、規模が大きい学校がある場合、中小規模校が新規開校で後発参入するのはリスクを伴います。

しかし、大手校にはない独自の「魅力」や「強み」を打ち出すことができれば、後発参入でも勝ち抜くことは可能です。

競合には存在しない独自の魅力があり、なおかつそれが生徒や保護者の求めている価値であるとすれば、それこそがまさにポジショニング戦略となります。

ただし、注意しなければならない重要なポイントもあります。

それは、「そのポジショニングは生徒・保護者が望む価値、生徒・保護者の目線で考案されたものか」という点です。

対象となる生徒の意向を無視して、自校に都合が良いポジショニングをしてしまうと、失敗する可能性が高いといえます。

ポジショニングの策定には、下記の5つの要素を満たせているかどうかをチェックしてください。

  • 学校側の考えるポジショニングが生徒・保護者に伝わるか
  • 学校経営が成立するだけのターゲットが存在しているか
  • 学校の都合ではなく生徒に寄り添ったのポジショニングになっているか
  • 学校のポジショニングに生徒が共感してくれるか
  • 競合との差別化の明確化ができているか

いくら独自性があるといっても、生徒・保護者に共感してもらえなければ、入学希望者を獲得できませんし、学校運営自体成り立ちません。

例えば、学校側が「こんなにすばらしい価値があるのだから、多少高い学費でも払うだろう」という思い込みで、ポジショニングを打ち出したとしても、生徒・保護者はそうは思わないという可能性も十分にあります。

生徒・保護者が魅力を感じてはじめて、ポジショニング戦略は成立するのです。

ポジショニング戦略のメリット


ポジショニング戦略を成功させることで、下記のようなメリットが得られます。

  • 競合校との価格競争から脱却できる
  • 効果的にブランディングできる
  • 集客を安定させることができる

ポジショニング戦略導入時の各メリットについて理解を深められるよう、ひとつつずつ掘り下げて解説していきます。

業界内の価格競争から脱却できる

通信制高校・サポート校の中で独自のポジションを確立すれば、競合校との価格競争から脱却することができます。

仮に他校より学費が高かったとしても、その学校ならではの価値やカリキュラムの独自性が備わっていれば、生徒に選んでもらえる可能性は高くなります。

逆に独自のポジションを確立させないと、生徒からは数ある通信制高校の中の一つとして認識されてしまいます。

そうなると「学費の安さ」で勝負するしか選択肢がなくなってしまうため、経営難に陥りやすくなってしまいます。

効果的にブランディングできる

誰もが名前を聞いたことがあるという大手校の知名度は、ブランディングの観点から見ても大きな影響力を持っています。

しかし、その学校だけが提供できる独自の価値を見出し、ポジショニング戦略で確立すれば、生徒や保護者に「多少学費が高くても、この学校でないと意味がない」というイメージを抱かせることができるのです・

例えば、学費が最安の学校と入学金や諸費用合わせて学費が高い学校を比較したとき、特徴に大した違いがなければ大抵は前者を選びます。

しかし、ブランディングができていれば、たとえ学費が2倍であろうとも後者を選んでくれるというわけです。

集客・売上が安定する

ここまで解説してきたメリットを踏まえれば、ポジショニング戦略の成功によって、学校経営自体が安定することがわかるでしょう。

毎年一定以上の入学者を確保できる上に、競合校との価格競争にも巻き込まれないからです。

生徒・保護者はその学校の独自性やその学校で得られる価値に魅力を感じているので、もし学費が相場より高く設定されていたとしても、ぶれずに集客できる土壌を作ることができます。

安定して入学者を確保できると、シェア拡大も狙えるため、より大きな成長へとつなげることができるのです。

目指すべきポジショニング戦略

ポジショニング戦略において最も重要なポイントは、競合校よりも知名度をあげようとするのではなく、独自路線を打ち出すことです。

競合他社とは異なる視点で戦略を立てれば、中小規模の学校でも大手校より優位なポジションを得ることができます。

同じカテゴリー内(例:学費)で競い合うのではなく、新しいブランドを作ることで、生徒・保護者からの注目も集めやすくなるのです。

また、新規カテゴリーなら先駆者として行動できるので、オンリーワンのポジションを目指しやすいと言えます。

もちろん、後から競合が類似の路線で参入してくる可能性もありますが、先駆者としてのポジショニング戦略が成功すれば、簡単に優位性を奪われることもありません。

つまり、ポジショニング戦略の秘訣は「戦わずして勝つ」、つまり競合と同じ土俵に立たないということに尽きます。

あえて競合校が激戦を広げている分野(レッドオーシャン)で勝負をかけるのではなく、その隙間にあるニッチな市場(ブルーオーシャン)で優位性を築くことが大切です。

ポジショニング戦略の考え方

「ポジショニング戦略」と言っても、学校の規模・予算・立地条件によって適切なアプローチは変わってくるため、一概に絶対正しいと断言できる方法論はありません。

しかし、前提として押さえておくべき考え方や知識については共通しているので、解説していきます。

まずは現状把握

ポジショニングは、市場における自社の立ち位置の明確化です。
ポジショニングを行うことで競合と差別化を図るわけですが、そのためにはまず、下記3点を明確にしておきましょう。

  • 競合にはない強み・魅力
  • その強みを求めている想定されうる入学希望者のペルソナ
  • 自校を取り巻く競合の動向

「うちにはこれといった強みはない…」という担当者の方がいるかもしれませんが、上記を細かく分析していけば、ポジショニング戦略に活かせる強みは必ず見つかります。

当社のホームページでも、現状分析にお役立ていただける集客重要指標・コスト確認ツールを無料公開中です。
ぜひご活用ください。

ポジショニングマップの活用

ポジショニング戦略を検討するにあたり、ぜひ活用して欲しい分析手法が「ポジショニングマップ」です。
ポジショニングマップでは、生徒・保護者のニーズを見極めつつ、競合校と自校の位置関係を分析する必要があります。

生徒や保護者のニーズをないがしろにすると、いくら優れたカリキュラムや独自のサポート体制を生み出したとしても、その価値が十分に伝わらないため、ブランドを確立できなかったり、生徒が集まらないという事態になりかねません。

ポジショニング戦略にとって差別化・独自化は大切ですが、それはあくまで生徒・保護者のニーズがあることが前提であるという点を忘れないようにしましょう。

ポジショニングマップにおける「軸」

ポジショニングマップを使う場合、どんな要素を軸として設定するかによって、最終的に自校が業界内で確立できるポジションが変わってきます。

軸には様々な要素を設定できますが、入学に向けた「コンバージョン」につながるかどうかが主な基準となります。

また、軸を決めるにあたっては「セグメンテーション」と「ベネフィット」という考え方も重要なので、合わせて解説していきます。

セグメンテーション

「セグメンテーション」とは、自校の生徒となり得る、潜在顧客ををニーズや性質ごとの塊(セグメント)に細かく分類することです。

マーケティングにおける基本知識の1つで、市場細分化と呼ばれることもあります。

セグメンテーションを実行するにあたり、下記の3つの方法(変数)が切り口になってきます。

  • デモグラフィック(人口統計的変数)
  • サイコグラフィック(心理的変数)
  • ビヘイビアル(行動変数)

各変数について、具体例も含めつつ解説していきます。

セグメンテーション

デモグラフィック(人口統計的変数)

年齢・性別・職業・所得・学歴・家族構成など、人口統計のデータに基づいてセグメンテーションを行う方法です。

消費行動と最も関連性が深いことから、一般的にマーケティングでもよく用いられています。

サイコグラフィック(心理的変数)

価値観・性格・悩み・ライフスタイル・通信制高校を選ぶ動機など、生徒・保護者やの心理・感性に基づいてセグメンテーションを行う方法です。

例えば、Web上の行動履歴やホームページへの訪問履歴から把握することができます。

ビヘイビアル(行動変数)

ホームページの滞在時間・閲覧頻度・位置情報、入学検討者の動向(資料請求や学校見学の申し込みをしたかどうか)などによってセグメンテーションを行う方法です。

こちらもWebの活用によってデータを取得しやすくなったので、マーケティングにおける重要性も増しています。

ベネフィット

「ベネフィット」を一言で表すならその学校に入学することによって得られる付加価値です。

例えば、単に「高校を卒業できる」だけではなく「この学校を卒業すれば、〇〇のような未来が得られる」と訴求できれば、生徒はベネフィットを感じられるため、入学につながりやすくなります。

ポジショニング戦略の軸についても、生徒にとってのベネフィットを意識して考えることが大切です。
具体的には、下記の3種類に分類することができます。

機能的ベネフィット

アクセス・利便性、学費、サポート体制など、その学校の条件・内容によってもたらされるプラス効果のことです。

情緒的ベネフィット

楽しい・充実感・安心感など、その学校に在籍をすることにとって経験できる、心理的な効果のことです。

自己実現ベネフィット

自分の理想を叶えられる・望む未来が手に入るなど、その学校だからこそ実現できる未来へのイメージです。

ポジショニング戦略は実行あるのみ

競合校や入学者となり得る生徒のペルソナやを分析して、独自のポジションを見つけることは準備段階に過ぎません。戦略は実行してこそ、初めて意味を成すからです。

もちろん、予算や他の業務との兼ね合いもあると思いますが、段階的に施策を始めることができます。
そのため、戦略のプランを立てたら、キレイにまとめなくてもいいので、まずは言語化してみましょう。

  • どのユーザーに
  • 他にはない特徴や強みを持っている
  • どんな商品・サービスを提供して
  • どのようなことを実現して欲しいのか

このように狙うべきポジションを明確にできたら、あとは実行しながら軌道修正をしていけば良いでしょう。

ポジショニング戦略は対象となる学生との接点を持つことで発揮する

ポジショニング戦略は競合校との差異や独自のカリキュラムを設定するだけでは成功はしません。
どれだけ対象となる生徒との接点が持てるかということがとても重要です。

複数のタッチポイントで、多くの対象生徒に「この学校には入学するだけの最高に価値がある」と認知したもらうことが非常に大切です。

例えば、「不登校経験がある生徒を難関大学合格に導く」というコンセプトを打ち出したいと考えたとして、検索時にホームページが表示されなかったり、競合と一律に情報が並べられたりしているだけでは効果的な訴求ができません。

競合他社との違いだけでなく、対象となる生徒側に「入学しなければならない理由」が提供できなければポジショニング戦略が成功したとはいえないのです。

  • 生徒に「自分にぴったりの学校」だと思ってもらう
  • 対象生徒と接点を作って認知してもらう

以上の2点が実現できれば、入学希望者を獲得しやすい土壌は完成です。

「ポータルサイト」を用いた「ポジショニング戦略」

対象となる生徒に認知してもらうための施策としては、学生が通信制高校の情報を集める際に、興味のある通信制高校を一覧で見て比較できるポータルサイト(比較サイト)に掲載をするという方法があります。

ターゲットとなる層の学生・保護者にアプローチする方法の中でも、ポータルサイトは進学への興味度合いが高い質の高いユーザーがあつまる傾向にあります。

ですから、まずは認知してもらい、独自のカリキュラムや他校にはない魅力を訴求するのに有効な手段です。

ただし、注意点としては、多数の競合校が掲載をしているため、単に学校情報のみを掲載しているだけではアピールにつながらないという特徴があることです。

ポータルサイトを活用する際は、PR機能などブランディングに役立つ機能を搭載しているかどうか確認するようにしましょう。

PR機能とは、例えば以下のような機能を指します。

  • 最新のイベント情報を告知できる機能
  • 動画コンテンツや学校の写真を発信できる機能
  • ポータルサイトのユーザーと相互にコミュニケーションがとれる機能

サイト内に搭載されているPR機能を活用して他校との差別化を積極的に図っていきましょう。


通信制高校カフェのご紹介

株式会社GoodWeather

弊社が運営するポータルサイト「通信制高校カフェ」では、学校ブランディングの役立つPR機能を搭載しています。

最新のイベント情報の告知機能口コミを活用したブランディング機能、そしてユーザーと相互にコミュニケーションが取れる「お悩み相談室」など、学校の魅力を発信できるプラットフォームです。

従来からある「資料請求サイト」や一律に学校情報を羅列したサイトではなく、ブランディングにお役立ていただける「学校情報サイト」を意識し設計しています。

資料請求をすることに最適化していないため、サービス利用客の質の高いことも特徴です。他にも以下機能もサービス利用客の質の向上に寄与しています。

ユーザーの質が高い理由

  • じっくり学校を検討できる仕組み
    学校情報、口コミ情報、お悩み相談室(Q&A)、記事・動画コンテンツ等じっくり学校を検討できるオンラインプレイスとなっており、じっくり通信制高校を検討できる仕組みがあります。
  • 一括資料追加ボタンなし
    当サイトに一括資料追加ボタンはありません。自分で選択して資料請求をする仕組みで、資料請求者の質も高いことが特徴です。
  • ユーザーの絞り込みが可能
    都道府県別、学年(中学1年、2年、3年、高校1年2年、3年、高校中退、高校休学、その他)から絞り込み、対象者から資料請求をしてもらえる仕組みを用意しております。

「質の高いユーザーに資料請求してもらいたい」

「オンライン上でユーザーとコミュニケーションを図りたい」

「口コミ対策でブランディングを図りたい」

「定期的に集客・ブランディングに関する相談にのってもらいたい」

という通信制高校・サポート校運営者様におすすめの媒体です。

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そして、全ての学校にまだまだ伸び代や改善の余地があります。

また、通信制高校・サポート校を検討する生徒・保護者に、他校ではなく自校に入学すべき理由を理解させるまでテコ入れすることで、より多くの生徒を入学希望者として獲得することが出来るようになります。

通信制高校・サポート校の数は年々増えてきているため、集客に取り組まない通信制高校・サポート校の集客は、今後学生募集がより一層厳しい環境に陥る可能性があります。

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まとめ

今回は、通信制高校・サポート校が生徒集客に取り組む上で、欠かせない「ポジショニング戦略」について説明をしました。

まずは、競合と自校の強みを分析し、戦略を言語化し、実践するという3段階からはじめてみてはいかがでしょうか。
実行するうちに、今まで見えていなかった自校の強み・弱点が見えてくることでしょう。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。